職場のハラスメント、警察に相談できるのはどんなとき
パワハラ・セクハラ・モラハラなど職場でのハラスメント被害を警察に相談できる条件と、労基署・弁護士との役割分担を解説します。
「上司に怒鳴られ続けている」「体を触られた」「仕事を全部外されてしまった」——職場でのハラスメントは、状況によって「相談すべき窓口」が変わってくる。すべてが警察の管轄ではないが、刑事事件になりうる行為は確かに存在する。
ハラスメントが刑事事件になりうるケース
以下のような行為は、職場内であっても刑法の対象になりえる。
- 暴行・傷害:物を投げつける、殴る、押す
- 脅迫:「クビにする」程度では難しいが、「殺す」「家族に危害を加える」などの発言
- 強制わいせつ・性的暴行:身体への直接の性的接触
- 強要:業務外の行為を脅しを使って強制させる
- 名誉毀損・侮辱:不特定多数の前で人格を傷つける発言を繰り返す
精神的なダメージを受けていても、「罵倒されただけ」「嫌がらせをされた」という状況が即座に刑事事件になるかは、行為の内容と程度による。
警察よりも先に動くべき窓口
職場のハラスメントの多くは、まず以下の窓口への相談が現実的だ。
- 労働局の総合労働相談コーナー:無料で相談でき、あっせん(調停)も依頼できる
- 労働基準監督署:長時間労働・残業代未払いに絡むケースに対応
- 弁護士(法テラス):損害賠償請求・会社への内容証明など法的手段の入口
- 産業医・EAP(従業員支援プログラム):精神的ダメージが大きい場合
警察は「犯罪行為」を扱う窓口であり、「職場環境が悪い」「上司が嫌い」という問題は範囲外になる。
証拠の残し方
刑事事件として対応してもらうには証拠が重要だ。
- 録音(日本ではほとんどの場合、当事者が録音すること自体は適法)
- メール・チャットの保存
- 日時・場所・発言内容のメモ
- 目撃者の名前・連絡先
- 医師の診断書(うつ病・PTSD等)
録音は「無断で行ったから証拠にならない」という誤解があるが、民事・刑事ともに当事者録音は証拠として使えることが多い。
警察への相談を検討する段階
証拠が揃い、行為が明らかに刑法上の犯罪(暴行・脅迫・わいせつなど)に該当すると思われる場合、警察署の生活安全課に相談する。
会社への内部通報や労働局への申告と、警察への被害届は並行して進めることができる。どの窓口を使うかは、求めているゴール(謝罪か、損害賠償か、刑事処罰か)によっても変わってくる。
迷ったら「#9110」や「よりそいホットライン(0120-279-338)」で状況を整理するところから始めてみてほしい。