認知症の家族が行方不明になった——警察への通報と捜索の手順
認知症や高齢者の行方不明が発生したときの警察への通報方法と、発見率を上げるための事前対策をまとめました。
「少し目を離した隙に、父がどこかに行ってしまった」——介護をしている家族なら一度は経験するか、常に不安を抱えている事態だ。認知症の行方不明は件数が多く、警察も対応に慣れている。ためらわずに通報してほしい。
「時間が経ってから」ではなく、すぐに通報する
行方不明の届け出には「○時間以上経過しないといけない」というルールはない。認知症の高齢者の場合、発見が早ければ早いほど安全だ。気づいた時点で110番に電話するか、最寄りの警察署・交番に届け出ることを迷わず行ってほしい。
よく「家族が自力で帰るかもしれないから」と様子を見る人がいるが、夜間・雨・冬季など、状況が悪いほど危険は高まる。
通報時に伝えること
110番または警察署への届け出の際に、以下を伝えると捜索がスムーズになる。
- 名前・年齢・性別
- 身体的特徴(身長・体重・髪型・服装)
- 最後に目撃された場所と時刻
- よく行く場所(以前の勤め先・実家・行きつけの店など)
- 認知症の程度(重い場合は路線バスなどに乗れる場合もある)
- 持ち物(財布の有無・スマートフォン・杖など)
写真を持参、またはスマートフォンに表示できる状態にしておくと、捜索の手配がより迅速になる。
警察と並行してできること
捜索は警察だけでなく、地域の協力が鍵になる。
- 市区町村の「高齢者支援センター」や「地域包括支援センター」への連絡
- 消防署・鉄道会社への情報共有(自治体が連携しているケースも多い)
- 近隣のコンビニやドラッグストアへの声かけ(店員が見かけた場合に通知してくれることがある)
- SNSで情報を拡散する(個人情報の扱いには注意が必要)
事前に登録しておける「SOSネットワーク」
多くの市区町村では、認知症の方の情報を事前登録しておき、行方不明時に素早く情報共有できる「徘徊SOSネットワーク」や「見守りシステム」を運営している。住民票のある市区町村の福祉課や地域包括支援センターで登録できる。
GPSタグをカバンや靴に縫い付けておくのも有効だ。介護保険の福祉用具として位置情報端末が使える場合もある。
発見されたとき
警察から「発見した」と連絡が来た場合、本人の状態確認と引き取りを行う。発見後に改めて医療機関で状態を確認してもらうことも大切だ。
繰り返しの行方不明が懸念される場合は、担当のケアマネジャーや医師に状況を共有し、対策を強化することを考えてほしい。