落とし物を拾ったら——警察への届け出と報労金の仕組み
落とし物・拾得物を警察に届けた場合の手続きと、受け取れる報労金(謝礼)の金額・条件をわかりやすく解説します。
財布や鍵を拾ったとき、「交番に持っていくのは当然だとわかっていても、どんな手続きになるのか、報酬みたいなものはあるのか」と気になる人は多い。実は法律できちんと定められた仕組みがある。
落とし物を拾ったらどうするか
拾った場所から最も近い交番か警察署に届け出る。「見つけた日時・場所」と「届け出人の名前・連絡先」を伝える。これで受け取り票(拾得物預り書)を発行してもらえる。
拾った場所の施設(駅・スーパー・商業施設など)では、施設側が「遺失物取扱者」として代わりに届け出を処理することもある。施設のインフォメーションに持参するのも一つの手だ。
報労金(謝礼)はいくらもらえるか
遺失物法により、落とし物が持ち主に返還されたとき、拾った人は「報労金」を受け取る権利がある。
- 原則は落とし物の価値の5〜20%(当事者間で決めてよい)
- 取り決めがない場合は法定で5〜20%の範囲内
例えば財布の中に現金5万円が入っていれば、2,500〜10,000円を請求する権利がある。ただし、双方の合意が基本なので、実際には返してもらった側から「ありがとう」のつもりで渡されることも多い。
「お礼は要りません」と伝えれば断ることもできる。法的な義務はなく、権利として持っているということだ。
持ち主が見つからない場合——所有権の移転
届け出た日から3ヶ月以内に持ち主が現れなかった場合、拾った人は落とし物の所有権を取得できる(遺失物法第34条)。ただし、この権利を得るには届け出た際に「所有権取得の意思あり」として手続きをしておく必要がある。
これを知らずに届け出ると、引き取れなくなる場合がある。交番・警察署で届け出る際に「所有権を取得したい」と伝えておくといい。
落とし物を届けなかった場合どうなる
落とし物を届けずに自分のものとして使ってしまうと「占有離脱物横領罪」になる(1年以下の懲役または10万円以下の罰金)。「誰も見ていないから大丈夫」とはならない。特に財布・スマートフォン・クレジットカードは追跡されやすい。
落とした人が「○○で財布を落とした」と警察に届けていれば、防犯カメラ映像の確認などにより発覚するケースがある。
自分の落とし物を探す方法
落とし物をした場合は、落とした場所の最寄り交番か警察署の「遺失届」窓口に連絡する。都道府県によっては、オンラインで遺失届の申請ができる。
東京都の場合は「東京都遺失物ポータルサイト」で、インターネットから届け出・照会が可能だ。落とした場所の警察署だけでなく、電車内・タクシー内などは各事業者の遺失物センターに問い合わせる方が早い場合もある。